ISBN978-4-8013-0778-0 C0015 176頁
発売:2025-06-30 判形:4-6
税込1540円(本体1400円+税)未刊
[内容]
真言は密教において古来より伝わる、仏さまに向けた祈りの言葉のことです。また、真言は仏さまの真実の教えのエッセンスが凝縮された言葉でもあります。
お坊さんが日々の勤行(お勤め)で真言を唱えることもあれば、仏教を信仰する人々が日々の生活で「おまじない」のように真言を唱えることもあります。それは、真言を唱えることで、仏さまの慈悲の心と威神力を発動させ、現世利益がもたらされると信じられているためです。煩悩や災いを消滅させる、極楽往生できる、福徳財宝をもたらす、寿命が延びるといったさまざまな現世利益が説かれています。
真言は密教伝統の聖なる呪文でありながら、人々が救いを求めて唱える言葉でもあります。真言に込められた不思議な力が、やがて自分に救いをもたらしてくれる。そう信じられているのは、真言が生まれた古代でも、私たちが生きる現代でも同じなのです。
本書では、真言や密教について知るための初歩として、概要をできるだけわかりやすく説明しています。また、本書の特徴として、古代インドの言葉が元になっている真言について、直訳とは別に「超訳」も載せています。これは理解の助けとして、諸尊のいわれや功徳を考慮して少し飛躍した訳を当てたものです。あくまで言葉の一面的な意味を表しているにすぎませんが、真言の大まかな意味を知ることができれば、少なくとも「意味不明な呪文」ではなくなるでしょう。
本書を通して皆様が真言の奥深さ・不思議さを感じ、やがて良き仏縁へ導かれていくことを願っています。
[目次]
第1章 真言ってどんな言葉?
真言を唱えるとご利益がある?/何を目指せばいいの?/真言を唱えるだけでいいの?/真言はいつ唱える?/真言はどこから生まれた?/真言とお経の違いは何?/真言の意味を知ることはできる?/真言を気軽に唱えていいの?
第2章 予備知識と初めての真言
真言によく使われる言葉/仏さまのシンボル「種子」/密教の図解「曼荼羅」/まずはこの真言から!「普礼真言」/最強の真言!?「光明真言」/仏さまへの決意表明「発菩提心真言」/仏さまへの宣誓「三昧耶戒真言」
第3章 諸尊の真言とご利益
如来…大日如来(胎蔵界)/大日如来(金剛界)/釈迦如来/薬師如来/阿閦如来/宝生如来/阿弥陀如来/不空成就如来
菩薩…聖観音菩薩/十一面観音菩薩/千手観音菩薩/馬頭観音菩薩/准胝観音菩薩/不空羂索観音菩薩/如意輪観音菩薩/金剛薩埵/文殊菩薩(五字文殊)/普賢菩薩/弥勒菩薩/地蔵菩薩/虚空蔵菩薩/勢至菩薩/大随求菩薩
明王…不動明王/降三世明王/軍荼利明王/大威徳明王/金剛夜叉明王/烏枢沙摩明王/愛染明王/孔雀明王/太元帥明王
天部…帝釈天/梵天/弁才天/大黒天/摩利支天/毘沙門天/吉祥天/歓喜天(聖天)
第4章 陀羅尼とさらなる修行
仏頂尊勝陀羅尼/宝篋印陀羅尼/阿弥陀如来根本陀羅尼/金剛寿命陀羅尼/大悲心陀羅尼/消災吉祥陀羅尼/大金剛輪陀羅尼/仏さまを体で表す「印」/密教独自の瞑想法「阿字観」/弘法大師の足跡を辿る「お遍路」