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書籍情報

「江戸無血開城」は勝海舟の功績ではない

勝海舟が教科書から消える

水野 靖夫著 

ミズノ ヤスオ 

「海舟神話」のウソを暴く

ISBN978-4-8013-0814-5 C0021 256頁

発売:2026-03-02 判形:4-6

税込1760円(本体1600円+税)未刊

勝海舟が教科書から消える

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[内容]
明治維新では、フランス革命やアメリカ南北戦争と比べてはるかに少ない人的犠牲で社会の大変革を実現した。中でも特筆すべきは、新政府軍と旧幕府軍の全面戦争を免れた「江戸無血開城」である。しかしこの重大な出来事は、教科書でさえも誤って伝えていることが多い。
「勝海舟と西郷隆盛の江戸での談判によって決定した」というのが、定説として信じられている。しかし、結論を言えばこれは真実ではない。勝海舟の功績は、作り話だったのだ。
江戸無血開城の研究を続ける筆者は、文部科学省や教科書会社に修正を申し込み、粘り強く交渉を続けた。その結果、ついに勝海舟の記述が削除されるに至ったのである。本書の目的は、「江戸無血開城」と勝海舟にまつわるウソを暴き、真相を究明することだ。誤った定説を正すための研究成果と、実際に教科書が修正されるまでの過程を紹介する。

[目次]
【第1部 勝海舟が教科書から消えるまで】

第1章 出典『氷川清話』は信用できない
1. 「海舟神話」――「江戸無血開城」の定説
2. 『氷川清話』の出版経緯
3. 3月14日の西郷隆盛・勝海舟会談
4. 3月13日の西郷隆盛・勝海舟会談
5. 3月5日の山岡鉄舟の勝海舟宅訪問

第2章 定説を信じ込む先行研究

第3章 江戸会談は「嘆願」にすぎない
1. 『氷川清話』の序言
2. 『氷川清話』序言の偽造
3. 「江戸無血開城」の真実
4. 勅諚伝達と受諾

第4章 駿府談判と京都朝議
1. 駿府談判――「江戸無血開城」実質決定
2. 駿府談判の信憑性を裏付ける史料
3. 京都朝議――「江戸無血開城」正式決定

第5章 なぜ「海舟神話」は流布したのか?
1. 勝の刀の位置
2. 刀の作法
3. 聖徳記念絵画館の創設経緯
4. 『江戸開城談判』の「画題考証図」決定経緯
5. 結城素明は刀の位置を改変した
6. 学校での教育

第6章 教科書会社との交渉
1. 文部科学省訪問までの経緯
2. 文部科学省訪問
3. 日本史教科書の出版社
4. 教科書会社・文部科学省との折衝
5. ついに「海舟神話」が消えた!!
6. 天動説と地動説

【第2部 勝海舟の実像】

第7章 勝海舟の人物像
1. 勝海舟の一般的評価
2. 第三者からの評価
3. ネゴシエーター勝海舟
4. 勝海舟のホラ話
5. 勝海舟信奉者

第8章 銅像・碑・掲示に残るウソ
1. 聖徳記念絵画館の「偽造画」
2. 墨田区役所前の勝海舟銅像
3. 「西郷南洲・勝海舟会見の地」碑
4. 神戸海軍操練所跡碑
5. 勝海舟記念館
6. 島田市の勝海舟銅像

付録 「パークスの圧力」と大奥の女性
1. 「パークスの圧力」はなかった
2. 大奥の女性の影響力はなかった


[著者略歴]
水野靖夫(みずの・やすお)
1943年、東京生まれ。1966年に東京大学経済学部卒業後、三和銀行(現三菱UFJ 銀行)入行。ニューヨーク、ブエノスアイレスの駐在を含め、主に国際部門に勤務。
2003年に退職後は、漢字・歴史の研究・執筆・講演活動に従事。主な著書に、『微妙な日本語使い分け字典』『Q&A 近現代史の必須知識』(PHP研究所)、『「広辞苑」の罠』(祥伝社)『勝海舟の罠』(毎日ワンズ)、『定説の検証 「江戸無血開城」の真実』(ブイツーソリューション)。